勝率に関する注意 [基礎知識]


投資法を評価する場合、勝率はトレーダーの最も気になる項目でしょう。しかし、一方で、勝率のデータを過信しすぎる事は危険です。実戦で観測されるその時々の勝率はデータのとおりにならないからです。その理由は2つあります。


理由1.

例えば、サイコロを振って奇数の目が出る確率は50%です。でも、10回サイコロを振って奇数の目が5回にならないケースが多発します。それは試行回数が少なすぎて理論値との誤差が大きいからです。極端な話、1回しか振らなければ0%か100%しかないわけだから、けっして50%にはなりません。

勝率は十分に多くの回数のトレードを行ったとすればこうなりますよ、という値なのです。その「十分に多くの回数」とは、少なくとも数千回のレベルです。


理由2.

上記の理由1において、奇数の目が出る確率(の理論値)は時間とともに変化しません。常に一定です。それでも上記のような誤差により、データどおりの結果が得られないのです。実際の相場においては、相場状況が変化するにつれて、個々の投資法の理論勝率も変化します。これは、サイコロの奇数の目が出る確率が刻々と変化しているようなものです。過去の実績データどおりの勝率にならなくても、むしろそれは当然なのです。


これら理由1&2にもかかわらず、過去の実績データの勝率を拠り所とせざるをえません。代わりになるものが無いからです。理由1&2を踏まえた上で、勝率の値を過信しないことが重要です。


 


タグ:勝率 投資法

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